㊟ツバサのメンバーがもしコードギアスの世界に落ちたら、というパロ。
小狼が覚醒していますので、『小狼』になっています。
そしてサクラが自分が写し身であることを知っています。
でも変換が面倒なため小狼となっていますすいません。
原作知らない方はごめんなさい(@_@;)
ついでに言えば続きものです…。
「ねぇー最初に来た世界に似てなーい?」
「そういえば」
「でも、何だか物騒な世界なようですが」
「みたいだな」
「なになにー? “ゼロ復活”! くろりん、ゼロってなぁにー?」
「俺に聞くな!」
モコナがそのへんの新聞を勝手に読み漁る。
その写真にうつるのは、大抵変な恰好をした仮面の男。
凄く目立つ格好…だが、それよりも突然現れた自分達の方が数段目立つのは明らかだ。
だが、落ち場所が何かの建物の屋上だったので助かった。
「とりあえず、助かりましたね」
「あの、どうかされましたか」
「え」
小狼が振り返れば、オレンジ色に光る髪をもった可愛らしい女の子が不思議げにこちらを見ていた。
「ああ、オレたちー、旅をしている者なんですがー」
「旅?! もしかしてEUとかの…いえ、ブリタニア本国の方ですか。え、でも如何してこんな処に?」
「あーまぁそんな感じです」
「どんな感じ?」
「でも、そこのお二方はイレヴンですよね。」
「イレヴン?」
黒鋼と小狼に向けられた言葉に、首を傾げれば彼女は大きく目を開けた。
信じられない、とも言いたげな顔にファイが口を開く。
「実はぼくらー、全員記憶喪失でー、でもお金ないから病院から放り出されまして」
「ぜ、全員記憶喪失?!」
「そうなんですー」
(モコナ、さすがに無理がないか)
(大丈夫! ファイだもん)
小狼とモコナがこそこそと話していると、今度は彼女の意識がそちらに向く。
「あの、そのウサギちゃんは…?」
「モコナうさぎじゃないのー!」
「こら白まんじゅう喋ってんじゃねぇっ!!」
黒鋼が怒鳴ってモコナをつかみとるが、今更というものである。
オレンジ色の女の子は暫く目をぱちくりさせたが、その顔を笑みに和らげた。
「ちょっと、よく分からないけど、どうしてだが分からないけど…。凄く、いい人な気がしてしまいます。私、シャーリー・フェネットといいます」
「…ありがとうございます。私はサクラです」
「オレはファイ。ファイ・D・フローライトです」
「黒鋼だ」
「モコナはモコナー!」
「あは、よく見たら可愛いのね」
ぴょんっと飛びついてきたモコナを抱きしめる。
「あ、おれは小狼です」
「……!」
「え」
シャーリーはモコナを抱きしめたまま、小狼に近づいた。
まるで信じられないものを見たように、顔をこわばらせて。
「…髪型が違うから気がつかなかったけど、スザク君にそっくり」
「スザク…?」
「友達よ。…今は、何処か遠くに行っちゃったみたいに遠く感じるけど……」
寂しそうに瞳を伏せる。
その言葉にサクラはあの荒れ狂った日に思いを添わせた。
温かい手は、そのままだった。だけどいつも温かかった瞳は冷たく。
太陽の匂いがした彼からは、血の生臭い匂いがして―――――――――――。
「サクラさん?!」
「あ…ごめんなさい、大丈夫です」
「よ、よかったぁ。私、何か倒れさせるようなこと、言っちゃったのかなって」
「ううん、ありがとう」
ごめんなさい